「隣の芝生は青くない」
労務について悩む社長が多い。
これは永遠のテーマ。
最近の新入社員の非常識さに驚いた社長の話。
社長、「これをコピーしてくれ」と新入社員に頼んだ。
すると新入社員はコピー機の前にじっと立っていた。
何をするかと思いきや、スキャンをしていた。
コピーの取り方が解らなかった。
社長、「請求書を作っておいてくれ」と頼んだ。
出てきたのが宅配便の着払いの伝票。
請求書の作り方を知らなかった。
新入社員、「コンビニに行ってきます。何か買うもの、ありますか?」。
社長、「(いつものセブンカフェ)コーヒーをお願い」。
買ってきたのは、(飲まない)缶コーヒーだった。
日頃の社長の姿を見ていないことにショックを受けた。
このように嘆く社長の共通点は、
会社に業務規則集・手順書(マニュアル)がない。
新入社員を嘆くよりも、
新入社員のお陰で、
業務規則集・手順書を作る機会にする。
その業務規則集を使って社内研修を行う。
中小企業における「いい会社作り」のはじまり。
年商30億円、経常利益5億円、従業員100人の会社の話。
6年前から新卒採用はじめ、6期目に入った。
人材教育に力を入れ、
業績を年々伸ばしていった。
昨年まで退職者は出ていなかったが、
今年に入って、2期生、4期生で1人ずつ辞めた。
1人は外資系企業に転職。
仕事が出来、ほとんど定時で仕事が終わる。
そのため残業はない。
一方、ある後輩は仕事が遅く、
いつも2、3時間の残業をしていた。
年収で後輩の方が多くなった。
これではやってられない。
結婚を機に転職をした。
社長は社員の聴き取り調査をした。
「5年後、10年後の自分たちはどうなるんだ。
はっきりしていない。不安である」。
これを機に、社員のキャリアプラン作り、
賃金体系を見直し始めた。
出戻り社員も認める。
「隣の芝生は青くない」と社員に思われるように、動き出す。