「陣組みで決まる」
戦略は将軍の術で経営では社長の経営術。
戦術は兵士の術で経営では従業員の仕事術。
戦略は効果性であり、
戦術は能率性。
戦術の失敗は戦略でカバーできるが、
戦略の失敗は戦術ではカバーできないと言われている。
ある中小企業の工場を見学した。
郊外にあり、周辺は田園風景。
業容の拡大と共に工場を増設、増設と拡げていった(約3,000坪)。
最近、隣接地(約300坪)を購入した。
工場には、粗利益を生み出す正味作業(加工・組立・検査)と、
粗利益を生まない付随作業(運搬・探す)と
ムダ(在庫・不良・手直し・手持ちなど)がある。
工場全体を見回すと、
工場を増設を何回か繰返したことによる粗利益を生まない作業が散見した。
倉庫から工場へ資材を運び、工場から倉庫へ製品を運ぶ(距離がある)。
製品を運び出すときに機械を止め、手待ちの時間ができる。
トイレが工場から離れた所にある。
管理事務所が2階にある。
工員(50名)はタイムカードを打つだけで事務所のある2階にあがる。
時間のロスは見えない。
それを全員で行っている
(一歩一秒一円)。
管理事務所が2階にあることから
工場の現場との対話も少ない。
戦国時代には陣の組み方が100種類以上あった。
陣組が決まった後、戦になり、戦術・戦闘になる。
どのような陣を組むのかと、
戦闘する兵士一人ひとりの技能とは全く別分野の課題になる。
戦闘するとき、
陣の組み方が良いと兵士は戦いやすく勝ち戦になる確率が高い。
一方、
陣組が間違っていたら、
兵士は戦いにくいので負け戦になる確率が高い。
陣組の善し悪しは将軍の実力で決まる。
工場も陣組と同じ。
工場の配置・レイアウトで決まる。
これは社長の経営術になる。
ここを間違えると
従業員の努力(戦術)ではいかんともし難い。
幸いにも隣接地300坪を手に入れた。
この300坪を生かすことで全体最適も可能になる。
現在、
年商10億円、経常利益50百万円が
年商10億円で経常利益1億円になる可能性がある。
陣組(戦略)で決まる。