「経営って、何だ！？」
戦略社長塾・銀座校の塾長、曲渕税理士の顧問先の話。
A氏は当初定食屋を営んでいた。
数多くの定食を提供していたが、多くの食材を扱うため、
忙しい割りに利益は出ていなかった。
次に儲かると思って、居酒屋に衣替えをした。
思った以上に下準備が必要で、商品数も多く、
大変なだけで儲からなかった。
そしてビルオーナーから耐震基準の問題もあり、
建替えることになり、
立ち退き料をもらい、閉店した。
次に何をやろうかと考えたときに、
定食屋のときも居酒屋のときも
「とんかつ」が美味いと評判だったことを思い出した。
カウンターだけの小さい「とんかつ屋」をはじめた。
最初はポツポツだったのが
「美味い」と評判になり、繁盛店になった。
定食屋や居酒屋のときのような大変さはなくなり、
とんかつは得意なこともあり苦痛もなく仕事ができて、
且つ儲かるようになった。
銀座校で経営を学んでいるB氏の話。
倒産した同業者から
得意先を引き継いでほしいと依頼があった。
B氏は、
得意先と同業者との取引条件を
各得意先から聞き出したところ、驚いた。
どれも当社より安く売っていた。
更に支払い条件が長い。
120日～150日手形。
これでは利益は出ないし、
資金繰りが悪くなって、
倒産するはずだ。
B氏は営業マンに
「当社でできる価格を提示（値上げ）し、
手形払いは受けない。サイトの短い現金支払い。
これを飲まなければ断ってもいい」と伝えた。
すると、得意先は、
商品の仕入れができなくなるのは困るということで
B氏の条件を飲んだ。
B氏、
「経営を勉強したお陰で、
はっきりと決断ができた」。
A氏の話からは、
当初はいろんなモノに手を出して店の特徴はなく、
力は分散し、ただ忙しいだけ。
それが得意なモノに絞り集中したら、
良い結果が生まれた。
B氏の話からは、
お客の要望通り（いいなり）にしたら、
経費も賄えない赤字で更に資金繰りが悪くなり、倒産。
まずは「捨てる」。何を捨てるか。
そして本当に必要なものは「何か」。
真に価値を作り出しているものは「何か」。
研究心、創造性、決断力が必要。
