「大人は信用できないと思った」
20年5月日経の「私の履歴書」(女優:岸恵子氏)に、
防空壕は子供や大人たちでひしめいていた。
暗い穴を見た瞬間、「ここにいたら死ぬ」。
(中略)防空壕にいた人のほとんどが爆風と
土砂崩れで死んでしまった。
大人の言うことを聞かずに飛び出した私だけが助かった。
「もう大人の言うことは聞かない。
今日で子供をやめよう」と思った。
13年9月日経の「私の履歴書」(オリックス:宮内義彦氏)に、
敗戦体験は人格形成に影響を及ぼした。
それまではペラ紙1枚の新聞に、
恐ろしいニュースが載っていた。
「一億一心」「鬼畜米英」の教育が8月15日を境に、
掌(たなごころ)を返したように「平和国家日本の建設」。
大人は信用できないと思ったし、
権威主義への疑問も芽生えた。
のちに政府の規制改革の仕事のとき、
行政のやることがすべて正しいと思えなかったのは、
これが原点だった。
18年10月本庶佑氏(ノーベル賞)のコメント、
研究に関しては、自分が知りたいこと、好奇心を大事にする。
雑誌「サイエンス」や「ネイチャー」に出ているものを簡単に信じない。
教科書に書いてあることを信じない。
常に疑いを持って、
本当はどうなっているんだろうという心。
自分の目で物を観る。
そして納得するまであきらめない。
11月29日付「感染最多新たに2685人」
「3日連続2500人超、重症者も最多440人」。
「都内で時短要請、忘年会消える?」という新聞記事。
GO TOイベントも二転三転。
これらを日々目のあたりにすると、
人間だれしも煽られ、恐れる。
数字や科学で見えないものか。
スパコン富岳によると、
飲食店で、4人で食事を想定した場合、
1人の発話者が正面と隣、
斜め向かいに座った人にそれぞれ顔を向けて会話したとき、
隣の人は正面に座る人の約5倍の量の飛沫が飛ぶ。
斜め向かいだと、正面の1/4にとどまる。
これでわかることは、
4人席を2人でお互い斜め向かいに座り、隣は空席にする。
マスクをすればもっと抑えられる。
これは現場(戦術)の防衛(我々ができること)。
国や専門家たちが対応に苦慮しているのは
コロナウイルスが最強であるということか。
メディアに踊らされず、
冷静に行動しよう。
経済を殺すわけにはいかない。