「古くて新しい」
12月3日付日経新聞、
「大企業避けるスキマで成長」という記事。
古くて新しいテーマが
「自社ブランド」。
自ら製品開発をし、
下請け企業から脱却と
利益率の向上を狙う。
成功のハードルは高く、
多くの中小企業が
挑んでは市場にはねかえされてきた。
ポイントの1つは、
大企業が参入しづらい
隙間の市場を見極めること。
2つ目は、
スーパーなどの売れ筋の
倍以上の価格で売れる製品づくり。
成功事例の1社は、
木村石鹸工業(大阪府八尾市)。
くせ毛に悩む人向けの
シャンプーを2020年に発売。
希望小売価格は500mlで3000円と安くない。
24年は約4億円の売上を計上。
以前はOEM(相手先ブランドによる生産)
が収益の柱だった。
受注競争の激化と利益率低下に直面し、
2013年にブランド開発を始めた。
くせ毛に悩む人向けと顧客層を絞り、
その人たち向けの商品開発をした。
万人受けするモノを捨てた。
当初、
くせ毛向けの人達にモニターになってもらい
開発を続け、クラウドファンディングで試した。
2社目は、
アパレル大手にOEMで
靴下を供給する昌和莫大小(めりやす)。
2017年にスポーツのプロ選手やランナー向けの
靴下ブランドを立ち上げた。
売れ筋の価格帯は1足2200~2970円と
スーパーの靴下の数倍。
激しい運動をする人向けの靴下は
機能性とデザイン性を備わっている製品がほとんどなかった。
チャンスがあると思った。
陸上競技の日本代表選手たちに
試作品を提供し、
反応を素早く製品に反映。
小さな改良を重ね、
顧客を増やしてきた。
2社とも客層を万人受けする大衆向けではなく、
専門性や特殊性のある客層に絞り込んでいる。
大衆向けは大企業がいるため、
価格競争に陥りやすい。
専門・特殊性は市場が小さいため、
価格競争になりづらく、
高価格帯を提供できる。
1人当りの粗利益も同業者より高く、
1人当たりの経常利益は同業者より2倍、3倍になる。
大切なことは、
自社を知ることである。
自社の特徴・強みを知ること。
なかなかここに気づかない。
そしてどんな客層を対象にするのか。
トライアンドエラー。
そして徐々に光が見えてくる。
信念と根気強さがいる。