「値決めは経営」
「稲盛和夫の実学」の中に、
「事業において、その収益源である売上を最大限に伸ばしていくためには、
値段のつけ方が決めてとなる。
製品の値決めなど、
営業担当の役員や部長に任せておけばいいと
考えている経営者もいるかもしれないが、
私は『値決めは経営である』と思い、
その重要性を訴えてきた」
と書かれている。
戦略社長塾銀座校では、
商品戦略の価格対策を学んだ。
価格設定には大きく高価格帯、中価格帯、低価格帯の3つがある。
その中で中価格帯は競争が激しいので、
中価格帯をはずすと商品の市場規模は小さくなり、
競争相手が少なくなり、
大手も力を入れないので勝ちやすいといわれている。
飲食店の経営者の話。
大手チェーンのパスタがランチ980円が880円に値下げした。
自店のパスタは1,100円だったところを100円上げて1,200円にした。
競争相手とは300円高いが、
客数は変わらず、
3月は良好だった。
1日200人来店する。
1日の営業利益は2万円、月60万円、
年間720万円の営業利益の増加になる。
100円値上げするという経営判断で業績は大きく変わる。
まだ有名になる前の「俺のフレンチ」の会議に参加されたときの話。
坂本社長は、
「なぜビールが500円なんだ。知っている人は教えてくれ」と訊いて、
誰も答えられなかった。
常識では原価積上げ方式で価格を決めていた。
「俺のフレンチ」は、価格先決め方式。
最初に価格を決めて、儲かる仕組みを考えた。
一流のレストラン(高品質)×立ち食い(回転率)で価格を下げることができた。
「いきなりステーキ」も同様である。
渋谷に事務所を構えている社長の話。
渋谷はランチの激戦区。
魚料理を出している店はこの10年で3回50円ずつ値上げして今は1,150円。
相場より高いけれど、昼時は並んでいる。
15年続いている弁当屋が600円の弁当を
午後3時過ぎると350円で値下げ販売していた。
若い社員は3時まで待って買いに行った。
すると3月で閉店になった。
我々中小企業は安易は値下げは命取り。
価値を高め粗利益を高めたい。