「人にとっての設備投資」
以前、カルビーの松本会長が、
毎月1回土曜日に各地に出向いて社内勉強会を
行っているという記事があった。
それによると、
勉強会を続けているのは、
学ぶ習慣を社員に植えつけたいため。
学ぶことが文化になれば、
(社員の実力がつき)会社のレベルが上がる。
人にとって設備投資は、学ぶこと。
その一番効率的な方法は読書。
多読せず、これはと思う著者の本を繰り返し開く。
ある企業の後継者に
「100分de名著『マネジメント』ドラッカー」(NHK出版)を
薦めたことがある。
初心者には、
ドラッカーはなかなか読めない。
100分de名著は読みやすい。
後継者曰く、
「知ることは面白い」。
「以前勤めていた会社で、
コーポレートアイデンティティというものをやっていた。
会社は誰のもの。
株主やステークホルダーのもの。
そう思ったら、やる気を失せた。
しかし、
ドラッカーは社会の器、公器と言った。
これで腑に落ちた。
今は2回目を読んでいる」。
中小企業で他社より強い会社は、
社員教育に熱心。
トップ自ら教育・研修を行っている。
社員に課題の本を渡す。
トップがその本の解説を行う。
社員が同じ本を読んで、
同じように学ぶと会社は格段と動かしやすくなる。
同じ本を共通言語として活用できるので、
仕事も共有しやすくなる。
また、社内研修は、
社員各人の特徴や才能がつかめ、
教育のヒントもつかめる。
これらの蓄積が社風や企業文化になっていく。
そのかわり一朝一夕に出来るものではない。
言い換えると、
ここが差別化になり、
他社に真似できないものになる。
教育効果=社員の素質×教材の質×回数2
回数=時間。
この時間が設備投資に当たる。
今は好景気。
そのために人材募集しても大企業に集中し、
中小企業には集まりづらい。
中小企業は、
普通(もしくは劣る)の人を
教育・訓練で育てていく仕組みを作っていくこと。
急がば回れ。