「二律背反」
ランチェスター「財務戦略」のテキストに下記の事が書かれています。
製造業では生産手段が強化されると商品の競争力が強くなるので、
これらに重点的に資金を配分すべき。
小売業や飲食業では店舗が営業力になるので、
多目の資金を出して、良い立地を確保する。
しかしそれに反比例して、
資金破綻の危険性が高まる。
二律背反の関係になる。
二律背反とは、
相対立する2つの要因がせめぎあった状態をいう。
どこに線を引くかは、社長の戦略実力や眼力で決まる。
こうするには、
①本当に必要なものを見極める能力。
②少ない金額で変わらない能力を発揮する仕組を作り出す、
創造性、革新性の能力が必要になる。
日本酒製造会社の話。
10年前、既存の老朽化した設備では将来が見えない。
新たな敷地で工場兼店舗を建て、新たな市場を作っていく。
年間売上高以上の設備投資で全額を金融機関から借入で調達。
自己資本比率が60%から20%を切りました。
最初の5年は苦しかったが今は4期連続増収増益に。
牛肉ステーキ店、6店舗を経営している会社の話。
店は女性スタッフのみで運営されています。
顧客の前で女性スタッフが調理をして料理を提供します。
産直の食材と女性スタッフが差別化になっています。
そのため、社員教育に力を入れています。
しかし女性の場合、結婚や出産等で退職するケースが多く、
次々に人材募集をしています。
顧客からの評判は高く、出店の要請がありますが、
近年は人が集まりづらくなっており、
思うように前に進みません。
そこで社長は、
将来の店舗展開を見据えた人材育成が重要テーマと位置付け、
自社ビル(1階店舗、2階研修室・研修キッチン、3階事務所、4階宿泊施設)を
建てました(年間売上高の8割)。
自己資本比率は70%から30%へ。
二律背反。
リスクをとらなければ、
創造性や革新性は生まれません。
確かにそこには、
必要なものを見極める能力が要ります。
ガンバレ!経営者