「おかしいなと思ったら」
朝礼に、「職場の教養」を活用している。
9月18日は「後始末の時間」。
「ビジネスマンが勤務中に物を探している時間は、
一説によると、年間150時間にも及ぶそうです。
1年間の勤務日数を250日だと仮定すると、
1日平均36分間は、物を探していることになります」
を読んでいたときに、
ふっと「なんか、おかしいな」と思った。
以前読んだものとは違う情報だった。
調べてみると、
昨年(17年)の10月11日、
「探し物の時間」では、
「アメリカのライターメーカー・ZIPPO社の調査結果によると、
人が物を探している時間は、1ヶ月平均76分だそうです。
1年間に換算すると、およそ15時間も探し物をしている計算になります」
と書かれている
(ZIPPO社は2014年4月4日付、資料あり)。
この2つの情報は、
年間で10倍も違う。
勤務中の時間とプライベートな時間の
違いはあるかもしれないが、
何か腑に落ちない。
気づいたらすぐするということで、
「職場の教養」の編集担当者に確認をした。
「『一説によると』の一説とは何か?」。
担当者、
「出所がはっきり解らなかったので、
『一説』という言葉で表現した。
ネット(探し物・150時間)で調べると、
出所は『大塚商会』。
多くのコメントで、『大塚商会調べ』となっている」。
次に大塚商会に問合わせてみた。
すると大塚商会の広報では、
「当社で調べたことはない。
書籍『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』
(草思社:リズ・ダベンボート著)から引用した」。
書籍を購入してみた。
冒頭の「はじめに」の中に、
「こんな統計をご存知だろうか。
平均的なビジネスマンには、1日に190の情報が入ってくる。
そして探し物をするためだけに1年間に150時間も浪費しているといのだ。
これにあと10時間を足すと160時間になり、
平均的な1ヶ月の労働時間に等しい」ということが書かれている。
ようやく元にたどり着いた。
しかし、データ(事実)を確認することはできなかった。
三現主義(「現場」「現物」「現実」)を心がける。
世に溢れている情報を鵜呑みにすると怖いことになる。
そう思った。
情報の発信者として肝に銘じた。