「価格競争から逃げるには」
8月4日付日経新聞、
「中国で紙おむつ生産終了」という記事。
花王は3日、中国で紙おむつ生産を終了したと発表。
花王は09年に中国で紙おむつの販売を開始、
12年に現地生産を始めた。
通気性や肌触りの良さが消費者に支持されたが、
中国企業の製品が向上し、販売が苦戦。
中国の紙おむつ市場は成長する一方、
花王だけでなく日本企業の苦戦が目立つ。
中国ブランドのシェアは
17年は2割程度だったが21年には6割近く上昇。
8月5日付日経新聞、
「中国発Temu、米国で勢い」という記事。
中国発のインターネット通販企業が
海外展開を拡大。
PDDホールディングスは低価格戦略を武器に
欧米など約30カ国に進出。
商品が届くまで10~14日かかるが、
価格の安さによるメリットが配送の不便を上回る。
早さより安さでアマゾンを追いかける。
今更ながら
中国は大量生産・低価格戦略はお家芸。
過去現在、
日本企業の多くはこれに巻き込まれた。
16年イタリア企業視察をした時、
イタリアの中小企業は、
過去は日本企業、現在は中国企業に
低価格で攻勢をかけられたが、
高価格帯に移行して難を逃れたというコメントが多かった。
8月5日付日経新聞、
「ユニ・チャーム、9%増益」という記事。
中国の売上高は現地通貨ベースで5%伸びた。
3日には花王が中国での紙おむつ生産の停止を発表したが、
ユニ・チャームはすでに
現地生産を低価格帯から高価格帯へシフトしている。
収益面での成果が着実に現れている。
現地生産を続ける考え。
8月5日付日経新聞、
「農林水産品の輸出額、上期最高」という記事。
23年1~6月の農林水産物・食品の輸出額は
前年同期比9.6%増の7144億円、
上期の過去最高を更新。
中国・香港で約40%を占め、
品目上位はホタテ、ウイスキー、清涼飲料水、牛肉等
(原発処理水で今後は不透明)。
日本の良質なモノは価格が高くても
中華圏・アジア圏で支持されている。
これらの事例から、
小さな会社は価格競争に巻き込まれる低価格帯ではなく、
高付加価値・高価格帯を追求し続けなければ、
未来を厳しい。(日本の大企業も苦戦しているのだから)