「迷走、日産」
7月26日付、日経新聞のトップ記事は日産。
日産は1万2500人の人員削減と
生産能力を1割減らす構造改革を発表した。
新興国での拡大路線の失敗と米国で安値販売により、
2019年4月~6月期の営業利益は
前年同期比99%減の16億円。
「米国市場では台数を積み増すために
多額の販売奨励金を使った事実上の値引き販売が
収益の悪化を招いた」
と米国不振の経緯が書かれている。
最初はなぜ販売奨励金のようにことをしてまで値引き販売したのだろう
(業績不振になる行為をしたのだろう)
と私はよく解らなかった。
ところが、
2009年時に中国のパナソニックチャイナの
大赤字部門を処理した人の話を聴いて、
腑に落ちた。
海外で成績(社員の評価)を上げるには、
売上実績が大事。
そのため代理店に押込み販売が日常茶飯事。
在庫保証と価格保証をする。
商品は次から次へと新しいものが出てくる。
旧商品は値崩れする。
損失補てんと新たな売上(在庫保証・価格保証)の繰り返し。
雪だるま的に赤字が膨らむ。
私は訊いてみた。
「このようになるのは見えているはず。なぜやるのか」。
「やらないと、
(能力がないとみなされ)日本に返される。
出世ができなくなる」。
「日産も同じだろう。
上から指示・命令を達成するには、
このような手を使うしかなかったのでは」。
90年代初頭を思い出した。私はリース会社勤務。
地方支店から東京に赴任した。
当時、東京では不動産担保融資が活況。
不動産価格に2年分の金利を含めた120%融資をしていた。
私は東京のとある支店長に「大丈夫なんですか」と訊いてみたら、
「どうせ来年になれば値上がりする。大丈夫」と答えた。
私は心の中で(狂っている)とつぶやいた。
その後、不良債権処理に奔走。
成長戦略って何だろう。
拡大路線を推進したら、その後撤退やリストラに。
とりあえず、「身の丈」を考える。
ゆっくり成長。
これではダメなのか。