「マイナーからベンチャー」
4月19日付、日経新聞スポーツ欄に「アスリート事業家の冒険(4)」
「『メダルをとれば』は幻想」
(日本フェンシング教会会長太田雄貴氏)の記事。
メダルを取ったら人生変わるぞ。
メジャーになれるぞ、と言われ続けてきた。
しかし、
メダルを取っても国内の大会はいつもガラガラ。
強くなれば見てもらえるというのは幻想で、
大会そのものが変わらなければダメだ。
防具に隠れて選手の顔が見えない。
ルールが複雑でわかりにくい。
この2点がフェンシングの人気拡大で大きなハードルになってきた。
それがフェンシングだというのは簡単。
しかし変化を拒んでいては生き残れない。
昨年12月、フェンシング日本選手権決勝は
「ジャニーズの聖地」東京グローブ座を会場にした。
前年の約4倍の5500円で販売した
チケット約700枚は40時間で売り切れた。
軽妙なDJの語りとダンサー。
選手の心拍数まで表示。
試合をわかりやすく伝える工夫をして
満員の場内は沸き立った。
日本協会が取り組んでいるのが
サーブル、エペ、フルーレに次ぐ「第4の種目」の開発。
映画「スターウォーズ」に登場する光の剣「ライトセーバー」
を参考に用具開発とルール作りの真っ最中。
対戦形式も1対1とは限らない。
2対2や3対3、もしくは多数方式もあっていい。
現在約6000人の国内競技人口を5万人に増やす目標を掲げる。
成功すれば、
用具売上や大会参加料、スポンサー収入などが日本協会の収益の柱に育つ。
意識するのは、
メダル至上主義からの脱却であり、
自ら稼ぐ力のある協会への変身。
すべてはゴールから逆算して戦略を立てる。
フェンシングで一番学んだのは、
足りない自分が世界で勝つにはどうすればいいか、ということ。
ヒトもカネもない協会を勝たせる挑戦に似ている。
大事なのはどこで勝負するかという「戦略」。
「ベンチャースポーツ」。
マイナースポーツの代わりに好んで使う言葉。
小さいがゆえに柔軟性や身軽さ、スピード感を生かして、
スポーツ界のフロントランナーになる。
まさに弱者の戦略。
ます「できる」「やれる」と言葉を発してから思考し、行動する。