「箍(たが)が緩む」
「箍(たが)が緩む」とは、
緊張がゆるんだり、年老いたりして、
気力や行動がだらしなくなる。
また、組織などの規律がゆるんで、
しっかりしたところがなくなるという意味。
(箍とは、竹を割ってたがねた輪。
桶・樽などにはめて外側を堅く締め固めるのに用いる)
4月13日付日経に、
「大和ハウス、急成長で統治おざなり、不適切建築2000棟」という記事。
「賃貸アパートと戸建て住宅の2000棟超が不適切な部材や構造で建築されていた。
内部通報から調査着手まで1年半もかかった対応の遅さをはじめ、
急成長の影で企業統治がおろそかにされてきた面も否定できない」。
4月9日付日経に、
「西武信金、反社会勢力に融資の疑い」という記事。
「金融庁は投資用不動産で不適切な融資が発覚したスルガ銀行の問題を受け、
昨秋から西武信金を含めた地域金融機関の不動産融資の実態を調べていた。
その過程で反社会勢力との取引が発覚した。
同金庫では、借入希望者の預金改ざんしたことも見つかっている」。
建設業A社長の話。
「19年3月期決算は過去最高の売上高と最終利益を計上した。
しかし20年3月期の計画では抑え目にしている。
19年3月期は自社のキャパを超えていた。
断ることもできたのだが、やってしまった。
そのため、自社で教育している協力会社の手が回らず、
外部の会社にお願いしたところ、品質が悪く、
クレームになってしまった。
仕事を受注して、品質が悪ければ、信用を落とす。
『えい、やってしまえ』という気持ちがあった。
やはり箍がゆるんでいた。
今期は顧客起点に立ち返ってやっていきたい」。
「兆し」。物事の起ころうとする前触れ。
海の上に見えている氷山はほんの一部で、
水面上に大きな氷の塊が隠れている。
兆しは水面上の氷山の一角。
その兆しを見る目を持つことができれば、
氷の全体像を把握することはできるようになる。
洞察力で物事を見る。
見えないものを見る。
「兆し」を感じ、何を見るか。
経営者は問われている。