「信用」
3月28日付、日経新聞に「てるみくらぶ経営破綻」という記事。
帝国データバンクによると、
「2011年9月期売上高134億円を計上、
積極的な広告展開も功を奏し、
2016年9月期売上高195億円に達していた。
しかしこの間、対面販売や添乗員の増員等で人件費が増加、
積極的な広告等の販管費負担増、円安による利益率悪化、
余裕のない資金繰りが続いた。
航空券の発券ができなくなり、
取引先に対する支払遅延も発生、
資金繰りのメドが立たず、事業継続を断念した。
負債は約151億円。
このうち一般旅行者に対する債務は約3万6000人に対して約100億円にのぼる」。
(1人当たり約28万円。弁済保証金は1億2000万円。1人当たり3千円)
また破産申立書によると、
2016年9月期時点で約75億円の債務超過になっていたことが判明。
2014年9月期以降、赤字決算を黒字決算にしていた(粉飾)。
2年、3年前に倒産していてもおかしくない状態。
建設業の倒産と同じで、
当面の資金繰りを確保するために赤字で受注する。
例えば、
100円で仕入れて80円で売る。
20円の赤字だが、80円現金が入り、当面一息つける。
しかし後で100円を支払うことになる。
そこで120円の仕入で100円で売る。
その繰り返し。
赤字が雪だるま式に膨れあげる。
いずれバンザイする時期が来る。
倒産の多くはBtoB間で起こるもの。
消費者(一般ユーザー)は外にいて、
倒産は別世界のようなもの。
しかし今回は大半の債権者が消費者。
消費者が倒産の怖さを知ることになった。
「信用」とは、
現在の行為から考えて、
将来必ず債務を履行するだろうと推測し、
信任すること。
給付と反対給付との間に時間的なずれのある交換。
(広辞苑より)。
4年前にベトナム視察ツアーしていたとき、
日系企業が現地ローカル企業と取引するときは、
キャッシュオンデリバリー。信用取引はしない。
今回の事件は、「格安」という悪魔のささやきが誘発させてもの。
やはり、会社は粗利益で生きている。
粗利益の範囲内に経費を納めなければ、
最終利益は出ない。
信用を築くのに時間はかかるが、
一瞬で崩れる。
危ない会社を見極める力をつけていきたい。