「コーヒーの話」
コーヒー焙煎卸・小売のN社の話。
N社は、日本で最初にコーヒーを提供した会社。
コーヒー豆はニューヨーク先物相場で
世界のコーヒーの価格が決まります。
2000年のとき、1ポンド40セントまで下がりました。
生産者の損益分岐点は120セントですので、
生活ができなくなります。
コーヒー豆は相場に大きく左右されます。
そこで、相場に左右されず、
生産者と直取引する動きがでてきました。
スペシャルティコーヒーと呼ばれ、
品質の高い豆で生産者と消費者の橋渡し
をするべく直取引が生まれました。
いい豆だと1ポンド350セント。
これなら生産者は良い生活ができます。
一方、ニューヨーク先物取引のものは
コモディティコーヒー(一般)と呼ばれます。
日本で消費されるコーヒーは、
93%がコモディティコーヒー、
7%がスペシャルティコーヒーになります。
我々の多くが口にするコーヒーはコモディティコーヒーになります。
セブンカフェはコモディティ。
スターバックスがアメリカに登場したときは、
スペシャルティコーヒーでブレイクしました。
日本の大手UCC、キーコーヒー、AGFは、コモディティコーヒーを扱っています。
スペシャルティコーヒーは高価格帯で販売できますが、
何分7%という小さい市場のため大手は参入しづらいのです。
N社は年商20億円で業界では弱者になります。
N社の豆は100%スペシャルティコーヒーです。
7%という小さい市場を戦場とし、
大きな市場のコモディティコーヒーは捨てています。
定期的に生産地のブラジル等赴き、生産者と意見を交わしています。
N社の売上構成は卸が50%、小売が50%。
卸先は、ホテル、カフェ、レストランなど。
小売はほとんどが通販(個人)。今では通販が伸びています。
たぶん1杯600円以上するコーヒーはスペシャルティコーヒー。
外ではなかなかスペシャルティコーヒーは飲めませんが、家では飲めます。
それで通販が伸びているのでは。
N社はまともに戦わず、ちゃんと住み分けしています。