「個人タクシー、今」
東京商工会議所江戸川支部主催、
江戸川区内の個人タクシーの各団体の役員たちの前で
私が「個人タクシーの経営戦略」を講演しました。
ランチェスター「営業戦略」テキストに、
「長く経営をしていると、
業界のライフサイクルの変化、
競争相手の出現、販売先業界の変化、
社会の変化、さらに法律の改正などで、
売上が構造的に低下することがある。
これに対して、
営業ルートや業界、客層を変えて、
営業方法を変えざるを得なくなる。
この時必要になるのが戦略情報」。
タクシー業界は激変の真っ只中。
東京における総輸送人員の推移は、
平成14年1日当たりタクシー・ハイヤーは125万人、
JRは330万人、地下鉄303万人、私鉄288万人、
総合計1,207万人。
平成26年になると1日当たりタクシー・ハイヤー90万人(28%減)、
JR383万人(16%増)、地下鉄365万人(20%増)、私鉄300万人(4%増)、
総合計1,270万人(5%増)。
この12年でJR、地下鉄、私鉄は増加したが、
タクシー・ハイヤーは大幅減。
タクシー業界は鉄道に顧客を取られています。
ただここに来て、タクシー業界に変化が出てきました。
初乗りを730円(2キロ)から410円(1キロ)へ。
「ちょい乗り」による新規顧客の開拓。
都内の訪日客が1000万人を越え、
タクシー需要が増えてきました。
スマホの配車アプリも浸透しつつあり、
タクシーがより身近になってきました。
一方、
海外から「ウーバー」という黒船も入ってきました。
タクシー業界はこぞって反対。
タクシー会社のない過疎地、
京都府京丹後市に「ウーバー」が活動し始めました。
タイではタクシーの治安が悪いため、
多くの日本人がウーバーを利用。
海外ではウーバーなど「ライドシェア」が席巻。
話を個人タクシーに戻すと、
年々個人タクシーは減少。
ITにも乗り遅れ気味。
異業種である酒屋、町の電気屋、本屋を見ていると心配。
ここは「弱者の戦略」である接近戦。
より顧客に近づく。
乗り物で唯一、顧客と接客ができるのがタクシー。
そしてITのスマホとの連携。
タクシーとスマホは相性が良いのです。
接客のアナログとスマホのデジタル、
この連携が活路を見出します。