4月7日、日経「ニュース複眼」より。
「日本の電機の進む道」
台湾企業のシャープ買収は日本の産業再編が別次元に入ったことを意味する。
(シャープの)買収に名乗りを上げたのは外国資本だけ。
日本の電機メーカーは全体的に元気がない。
アジアの企業からすれば
日本企業の技術力はまだまだまぶしく映る。
元エルピーダメモリ社長のコメント
「シャープが外資の傘下入りで決着したのは残念だが、
経営の力量に問題があると感じた。
シャープから一時、事業や提携交渉を手伝ってほしいという話があった。
(シャープ側に)当事者意識というか緊張感をあまり感じなかった。
一方、鴻海の郭台銘董事長と面識があり
彼の行動力や決断力にはただならぬものがあった。
『日本人経営者は世界に通用しない』との風潮が広がりかねない。
日本の電機産業が弱った原因は何か。
技術者はずばぬけて優秀だが、
将来に投資する資金の規模で韓国、台湾勢より劣った」。
KKRジャパン社長のコメント、
「米アップルのように、
1つのビジネスについて深く研究していかないと勝てない時代だ。
あるコンセプトを打ち出して、
そこを突き詰め、
成功する。
いろいろ事業を抱える中では
そういうことはできない。
日本の電機メーカーは優秀な社員を抱えている。
いざ方向が決まれば、
欧米の同業他社より質の高いことが可能になる。
足りないものは
その方向付けだろう」。
ランチェスター経営では
「実行の手順」がある。
【社長の願望・熱意・向上心】⇒【目的・目標】⇒【戦略・仕組み作り】⇒【戦術・繰り返し作業】
実行手順のウエイト付け
【社長の願望・熱意・向上心】53%
【目的・目標・情報・革新】 27%
【戦略・仕組み作り・情報】 13%
【戦術・繰り返し作業 】 7%
日本で名経営者と言われている人は創業者。
サラリーマン社長では少ない。
つまり、実行の手順で一番ウエイトの高い
社長の願望・熱意・向上心が世界と比べて劣っているのかもしれない。
そして、目的・目標の定め方、
その目標を効果的に達成するやり方である戦略
ここにも課題がある。
技術者は戦術領域。
いくら優秀な技術者といっても全体のウエイトからすれば7%
経営者の戦略の失敗を優秀な技術者の戦略ではカバーできないということ。
社長の戦略実力に世界との差が開いていることが
シャープの出来事である。
従業員30人以下であれば、
業績の96%は社長1人の戦略実力できまる。
「ランチェスター経営ONLINE東京」4月9日(土)午前0時スタート。