「戦略の失敗は戦術でカバーできない」
ヤマダ電機が東京駅周辺に旗艦店を出店して4ヶ月が経ちました。
オープン当時の日経新聞の記事では、
「東京駅前の店舗は地下1階地上10階で売り場面積は6,000㎡強。
年間150億円以上の売上を目指している。
店舗には米アップルやソニー、パナソニックなど
大手メーカーのショールームの売り場を作り、
新たなコンセプトの情報発信基地にする。
拡大する訪日客需要の取り込みも強化する。
ヒト型ロボット『ペッパー』を店頭に配置し、
中国語や英語でも売り場を案内する。
オフィス街にも近い立地を生かして
法人向け営業も手厚くする。
新しい旗艦店を通じて『顧客層が広がる』と強調」。
私は、1月、2月に3回ほど同店を行ってみました。
3回ともお客は少なくガラガラでした。
お客の数より店舗スタッフの数が多いのです。
こんなに空いている駅前立地の家電量販店は珍しい。
私がよく行くヨドバシ錦糸町店や秋葉原店ではありえません。
なぜ、お客がいないのか、考えてみました。
経営の3大目標である一つ目「商品」または「売り場」。
従来の駅前立地の店舗と違い、
ゆったりとした空間がありますが
その分商品の品数が少ないように思えます。
ヨドバシ秋葉原は23,800㎡(約4倍)あるので大きく感じない。
二つ目は「地域」。
東京駅前といっていますが、
徒歩では5分かかります。
決して駅前立地ではありません。
東京駅降りて同店に行くことはないでしょう。
ヨドバシやビックカメラはあのビルに出店しないと思います。
(東京駅と秋葉原は2駅。至近)
三つ目は「業界客層」。
八重洲にはビジネスマンは多いが、
家電を買う人は少ないのではと思うほどお客がいない。
中国人も1組、2組と数えられる程度。
戦略の失敗ではないかと思われます。
これを従業員(戦術)の努力でカバーすることはできません。
やはりヤマダ電機は郊外型で日本一になった企業。
都心の駅前立地型は不得手とみました。