ブログ版 週刊五十嵐レポート（723号）「売上は最大に、経費は最小に」
「稲盛和夫の実学」（日本経済新聞社）に、
「多くの経営者が売上を増加させようとすると
当然経費も増えるものと思っている。
これが経営の常識なのである。
しかし、
『売上は最大に、経費は最小に』
を経営の原点とするならば、
売上を増やししていきながら、
経費を増やすのではなく、経費は同じか、
できれば減少させるべきということになる。
売上を増やしながら経費を減らすというのは、
生半可なことでは達成できることではない。
そのためには、知恵と創意工夫と努力が必要である」
と書かれています。
ある食品製造業の話。
地域ではシェアNO.1なのになぜか利益率が低いのです。
売上の伸び率以上に製造･販売経費がかかるのです。
特に包装費等が異常に膨らみます。
現場をみてみますと、
物が雑然と置かれ、
何がどこにあるのか、
わかりませんでした。
そこで改善するべく、
社長と社員たちは模範となる会社の工場見学に
費用（約100万円）をかけて学びにいきました。
学んできた社員達は、
「現在ある資材の要る、要らないを区別し、
要らない物、使用していない物は処分する。
使用する工具、機械に名前をつけ、置き場所を決める」
「工場内は自分たちで色をぬって作業動線を作っていました。
ほとんどの台が簡単に移動できるようにキャスター（車）が付いていました」
「どのようにすれば作業効率が良くなるのか
を自分たちで考えることの大切さを感じました」。
５Sのうちの３S（整理・整頓・清掃）の徹底です。
上半期で
売上は前年度比15百万円増加したものの、
製造・販売経費は10百万円の減少となり、
経常利益の段階で前年度比200％になりました。
社員は、
「物を探す時間がなくなり、
作業台の工夫により体に負担をかけずに作業ができるようになり、
生産性が高まりました。まだまだ改善の余地がありますので、
『カイゼン』するのが楽しくなりました」と、
自主性が出てきました。
３Sは、「戦術活動」です。
戦術はボトムアップ。
これは、
お金のかからない経営改善です。
まさに「売上は最大に、経費は最小に」です。
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「町コン（町医者的経営コンサルタント）」五十嵐勉
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