ブログ版週刊五十嵐レポート（703号）「東京下町・隅田ブランド、世界へ発信」 - ランチェスターの法則を学ぶなら五十嵐コンサルティングオフィス

ブログ版　週刊五十嵐レポート（703号）「東京下町・隅田ブランド、世界へ発信」

ふっとテレビをつけると、
「ガイアの夜明け」（2月10日放映）がやっていました。
テーマは「ニッポン製の逆襲が始まる！」。

隅田ブランドの「IKIJI（イキジ）」が目に入り、
その旗振り役である精巧㈱の近江誠社長が登場しました。
（「新・経営の志手帳」に2回登場）

翌日、
電話で「観ました！」と伝えると、
裏話を教えてくれました。

隅田ブランドの「IKIJI」は、カットソーの「精巧」、ニットの「テルタ」、
シャツの「ウィンスロップ」、革製品の「二宮五郎商店」の
墨田区の4社が共同で立ち上げたブランドです。

江戸の文化（助け合いながらも暮らしを楽しむ心のゆとり）を現代に生かし、
情緒あふれる江戸の文化「粋」を「IKIJI」を通して伝えていきます。
　
従来、国内外の有名ブランドの商品を手がけてきました（ＯＥＭ）。
「技術を持つ者同士が協力してあって、
品質の良いメード・イン・ジャパン製品を海外に売り込んでいきたい」。

今年の1月13日～16日、
イタリア・フィレンツェで世界最大規模の展示会に
「ＩＫＩＪＩ」が出展しました。
（なかなか出展できるものではありません）

2万4,000人のバイヤーが訪れ、
初日から「ＩＫＩＪＩ」のブースには人があふれました。
特に欧州のセレクトショップのバイヤーの注目度は高く、
ヴォーグイタリアなどがＳＮＳで発信するなど、
日本の技術のもの作りは評価を得ました。

なぜ、これだけ注目されたのでしょうか。

「ＴＯＫＹＯ」　　わからない。
「隅田」　　　　　何？。
「スモウ」　　　わからない。

「北斎」　　あの北斎の生まれ育ったところ（隅田）なのか！
ようやく「北斎」を通してイタリアに江戸の「粋（文化）」が伝わりました。
自ら訪問しても門前払いだったイタリアセレクトショップと商談ができるようになりました。

葛飾北斎はライフ誌で
「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」の
中の唯一の日本人（欧米では有名）です。

北斎が背中を押しました。

墨田の部分1位・小規模1位の4社が集まって
ブランドを立ち上げたことに意義があります。

1社ではここまでできなかったでしょう。

4社とも今の主力商品は他社製品のＯＥＭです。
「ＩＫＩＪＩ」は明日の主力商品です。

ファッション関連は日本ではなかなか評価されません。
海外で評価されて逆輸入されることが多いのです。

世界へ江戸の粋を発信し、日本に帰ってくる。
これを狙っています。