ブログ版 週刊五十嵐レポート(682号)「日経新聞の記事から戦略を考察する」
出張経営塾での話。
参加者は、社長を含め幹部社員。
ランチェスター「弱者の戦略」を学んでいます。
少し時間が余りましたので、
日経新聞の記事から戦略を考察してもらうことになりました。
題材は「住商、ネットスーパー撤退」という記事
(平成26年9月1日、2日付)
「住友商事はネットスーパー事業をやめる。
成長市場にもかかわらず撤退を決めたのは、
配送コストがかさみ黒字化が難しいと判断した。
ネットスーパーは消費者の人気を集めるが、
参入企業の多くが赤字から抜け出せない。
先行するイトーヨーカ堂が店舗から商品を配送方式に対し、
住商は2ヶ所の物流センターから
東京都心部と横浜など広域に商品を配送していた。
商品管理のコストは圧縮できるが、
トラックの移動距離は長く配送コストはかさむ。
業界では黒字化のカギは
『1時間で5軒以上届ける効率の良さ』
ともいわれている」
住商の採った戦略は何だったのか。
なぜ撤退(失敗)したのか。
強者は誰で、弱者は誰だったのか。
会社は粗利益で生きています。
その大本は顧客です。
経営の目的は、経営の源である顧客を作り出し、
その数を多くすること。
しかし多数の競争相手がいて、
どこも顧客を多くしようとやっきになっています。
顧客が多いか少ないかは競争相手と
比較して相対的に判断する必要があります。
これを「市場占有率」と呼びます。
改めて、経営の目的は、
顧客を作り出し、市場占有率で1位を目指すこと。
ネットスーパーで言えば、
「強者」はイトーヨーカ堂(会員160万人)。
「弱者」は住商(会員30万人)。
イトーヨーカ堂は狭域戦・接近戦で小規模1位・部分1位を作り、
全体1位を目指しています。
戦略は弱者の戦略。
一方、住商は広域戦・間隔戦。
戦略は強者の戦略。
弱者が強者の戦略を採ると、
粗利益を生まない移動時間が多くなり、
特定の地域に顧客を密集して作ることはできません。
経営はいくら資金が潤沢にあっても、
戦略を間違えると失敗するということ。
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「町コン(町医者的経営コンサルタント)」五十嵐勉
★中小企業基盤整備機構 地域活性化支援アドバイザー
★(公財)千葉県産業振興センター支援専門家
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