ブログ版週刊五十嵐レポート（676号）「本業回帰」 - ランチェスターの法則を学ぶなら五十嵐コンサルティングオフィス

ブログ版　週刊五十嵐レポート（676号）「本業回帰」

直近の日経産業天気インデックスを見ますと、
景気の谷は02年、09年。景気の山は01年、05～07年。
現在14年は山へ向って上昇中。

建設業界は景気の影響を受けやすいようです。
ある鉄筋工の会社の話。

05年～07年の業績は年商5～6億円で利益も出ていました。
09年以降（リーマンショック後）は年商4億円→3億円と急降下。
赤字を計上。

新規事業をやらないと会社の将来は危ういと社長は考え、
大手コンサル会社にアドバイスを受け、
リフォーム事業へ進出する決心をしました。

大々的にチラシを売って集客するイベントを企画しましたが、
ちょうど東北大震災直後ということもあり、
1人もお客は来ませんでした。

大手コンサルタントから次回をどうしますかと尋ねられ、
社長は、「ちょっと止めておく」と言いました。
よくよく考えてみると、
「天は我にリフォーム事業に手を出すな」
と言っているのではないかと考えるようになりました。

ここから気持ちが本業に戻り、
鉄筋工の育成に力を入れてきました。
東北大震災以降、
およびアベノミクスの影響から業績は持ち直し、
前期年商は5億円を越えるまで回復してきました。

現在は鉄筋工不足になっていますが、
以前から人材育成に努めていたお陰で、
人員の確保は他社よりもよく、
引き続き受注を請けても対応が出来ています。

景気の波にあまり影響を受けずに、
粗利益の補給源を安定的に確保していくことが第一です。

次は、アジアの某国。
10年以上実習生を受け入れ、鉄筋工の技術はもちろん、
挨拶、掃除など５Sを教育してきました。

その国にはOBが何人もいます。
実習生からは「社長、進出しないのか」と問われます。

「大企業は資本力で勝負する。中小企業は人脈とスピードで勝負する」

難しいことにはそれと同等かそれ以上の良いことが隠されている。
リスクを検証し、いかにリスクを軽減することができるか。
「人の命と会社の命に別状がなければ試しにやってみる」

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