「シェア首位」が最善か

平成25年11月30日付、日経新聞の企業1欄、「電機転生　下」から。

京セラの携帯電話の年間販売台数は約1100万台（2012年度）。アップルやサムスンが1ヶ月に売る販売台数と同じ。

「真っ向勝負で勝てるわけがない」（同社専務談）

米国で昨年販売し、1年間で200万台売ったスマートフォン「ハイドロ」。
防水性能に優れ、騒音の中でも聞き取りやすい製品。
アウトドア愛好家や耳が聞こえにくい高齢者などから高い支持を得ている。

グローバル競争で勝ち抜く手段はシェアを高めて市場の支配力を握ること。
そう信じてパナソニックやシャープはプラズマや液晶に巨額資金を投じた。
そして韓国や台湾勢に敗れた。

「シェア上位ではない分野で画期的な製品を生み出す」

●「町コン」五十嵐勉
新聞を読んでみると京セラはシェアの低い分野では「弱者の戦略」を採用しているということ。
「強者」とはまともにぶつからない作戦。全体ではなく部分1位、小規模1位を目指している。
「強者」と「強者」がまともに戦うと「量」や「コスト」に劣る「強者」は敗れることが実証済み。
『「シェア首位」が最善か』という問いに、全体でシェア首位が最善かというのが正しい。全体でシェア1位をとらなくても、市場は小さいが部分1位、小規模1位であれば、利益を出せるということが「京セラ」で証明されているということ。