平成24年11月30日（金曜日）、日経新聞＜経済教室＞「経営塾 新たな市場を拓く エイチ・アイ・エス会長 沢田秀雄（４） 事業の知恵は現場で見つける」から経営戦略を学ぶby東京「町コン（町医者的経営コンサルタント）」五十嵐勉のブログ。
長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」は2011年９月期に1992年の開業から初めて、
営業損益で黒字を記録した。
２度の経営破綻を経験したハウステンボスの再建を10年に引き受けた。
佐世保市や金融機関にハウステンボス再建を頼まれた際、周囲は「リスクが大きすぎる」と猛反対した。
そこでハウステンボスの財務状況を確認しながら再生シミュレーションを繰り返し、
地元の協力を取りつけた。
金融機関には債務の８割免除、佐世保市には固定資産税の減免をお願いした。
再建方法は極めてシンプル。経費を２割削減する一方、売り上げを２割増やす目標を設けた。
手始めに園内の３分の１を入園無料のエリアにした。
現場から知恵を集めるのは重要。
園内を飾る花の調達や配置をだれに任せるかを決める際、約１千人の従業員から花好きな人を抜てき。
すると花のコストは３分の２程度に下がる一方、花の量は増えてデザインも新しくなった。
個人として働く時間の７割をハウステンボス関連に割いている感覚だ。
１年の半分ほどは敷地内のホテルに宿泊する。見ないとわからないことが多く、
現場をくまなく回って指揮をとる。
●「町コン」五十嵐勉（五十嵐ダルマ）
下記のブログ（H21.9.17）に書いたときには、ハウステンポスは再生不可能ではと思っていた。
沢田氏がすごいと思ったのは、
債権者（金融機関等）の債権を8割カットと固定資産税の減免の交渉力。
これで固定費（維持費）が大幅に削減となった。これで再生の可能性が高くなった。
（損益分岐点が低くなる）
働いている人の知恵を活用する。
現場主義。
戦略はトップが立案するが、実行するのは従業員。
戦略と現場をつなぐ仕組み。
トップのウエイトの7割がハウステンポスであったことが今の再生に繋がっていると思う。
2009年9月17日（木）付、日経新聞に
「野村、ハウステンポス経営譲渡」という記事がありました。
野村ホールディングスは出資先の大型リゾート施設、
ハウステンポス（長崎県佐世保市）の単独支援を断念、
ホテル運営会社のホテルマネージメントインターナショナルに
経営権を譲渡する方向で最終調整へ。
ハウステンポスは2003年に会社更生法の申請。
野村ホールディングス傘下の投資会社、野村プリンスパル・ファイナンスが
支援企業となり、経営陣を送り込み、再建に取り組んできた。
野村はこれまで総額250億円を出資。
今年6月にはホテル施設を休館して従業員250人を削減。
昨年度の入場者数は187万人と過去最低水準に減少。
●五十嵐ダルマ●
五十嵐ダルマは5年ほど前、仕事で佐世保に行った事があります。
その時帰りの途中、ハウステンポスに寄ってみました。
朝、開園直後に入場しましたが、お店はほとんど開店していませんでした。
「お客はどこでお金をおとすのだろう？」と思いました。
五十嵐ダルマは当時、再建のイメージが湧きませんでした。
ディズニーランドのようなテーマパークと思ったら、肩透かしを食います。
ディズニーランドとの大きな違いは、「もてなしの心」なのかもしれません。
＜追記＞
今のハウステンポスは知りません。以前行ったときの印象は、
一度行けば、もういいい。2度目も行きたいという衝動はありませんでした。
一方、ディズニーランドは、来訪者の90％がリピーターといいます。
リピーターになるか、一度だけでいいやの違いかもしれません。
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