町コンの毎週のメルマガに「ドラッカーに学ぶ」があります。
今週で59回目。つまり59週、1年超です。
学んでいるのは「創造する経営者」(P.F.ドラッカー、1964年)
第10章 「事業機会の発見」 脅威は本当に脅威なのか
企業や産業にとって脅威であるかに見える新しい事態こそ、隠された機会が存在する。
常に「事業にとって有害であるとしてきたものをいかに受け入れるか。
そもそもそれらは本当に有害か。それとも逆に役に立てられるか」
を問わなければならない。
潜在機会の発見
あらゆる関係者が起こりえないと知っていることこそ徹底的に検討しなければならない。
起こりえないことが、自社にとって何かを起すための大きな機会となる。
マネジメントは、それらの新しい事態について、それらが起らざるを得ないことを内心知りつつ、
脅威として見ているために起りえないこととしていることが多い。
企業や産業にとっての脅威はすべて、市場、顧客、知識など環境の変化を予告する。
既存のもの、伝統的なもの、確立されたものに固執するならば、
あるいはほかのいかなることも不可能であると断定するならば、
結局は変化によって破滅させられるだけになる。
したがって変化こそ、利益をあげるために何かを行う機会としなければならない。
● 「町コン」五十嵐勉
平成23年6月24日(金)日経夕刊「十字路」に「日本の電子書籍の行方」が書かれています。
アマゾンの電子書籍端末キンドルを使い始めて2年近くになる。
英語の書籍に関するものは全て電子書籍になった。
一方わが国の電子書籍には失望の連続でいまだに利用する気になれない。
タイトル数が少なく、値段があまり安くない。
とはいえ、先週、先行きに希望の持てる発表が2つあった。
ソニーなど4社が電子書籍の利便性向上に向けた共同の取組みに合意。
欲しい書籍が特定の端末でしか読めないというような事態は軽減される。
もう1つは講談社が五木寛之氏の個人全集を電子書籍で配信するという報道。
絶版で埋もれてしまった作品を読んでもらいたい。
後は著者と読者の間に介在する出版ビジネスのあり方さえ改善すれば
わが国の電子書籍がもっと改善するだろう。
(遠藤幸彦氏)
出版業界が電子書籍を「脅威」とみるか、「機会」とみるかで次の行動が変わってきます。
平成23年6月28日(火)日経朝刊文化欄の「文化往来」で
「五木寛之、電子書籍による全集配信へ」というコラム。
作家の五木寛之が講談社から電子書籍による全集「五木寛之ノベリスク」を出す。
五木寛之は
電子書籍には興味も批判もある。
利点は、①文字が拡大できること②膨大な資料を持ち歩けること③絶版の本を流通できること
一方、まだまだ読みにくい。読みやすい端末が必要。
電子書籍を始める理由として、
紙の本だけでは購読できる作品が限られること。
五木寛之が出した本の7割は絶版の状態。
電子書籍なら拾い上げられる。
電子書籍は、作家と読者をより近づかせるものとなるでしょう。
その間の出版会社等は自分たちの利害だけでは淘汰されるでしょう。
作家と読者の関係をいかに近づけ、快適な環境をつくるかにあります。